「怖い」の仕組み-2

2005–09–29 (Thu) 16:29

少女ホラーマンガ系出身の私だが、今はほとんど描いていない。

私のプロデビュー当時は、スプラッタホラー全盛期だったように思う。
少女ホラー誌が乱立して、ありとあらゆる表現が試されていた。

当時からいじめなど身近な問題をテーマにした内容は多かったが、その他にも
色々と奇抜な設定や内容を、各誌が競い合い描いていく内…次第に特殊化し
ジャンルそのものが孤立していったように思う。


そんな中、ある事件が起こった。

まず、ビジュアルで目立つホラーマンガが槍玉に上げられた。
『その影響を、無視できない。』…と。

また…困ったことに、実際の事件と似通った内容を描くマンガ家がいたことから
事件の被害者の家族・親族からも抗議が来た。
『事件及び当事者を容易に連想させる内容、貶める内容は描くな』
…と、編集者サイドからのチェックが厳しくなる。

この場合、仕方が無い。
当事者の気持ちを考えれば、当然の事でもある。
いくらネタ切れだといっても、やって良い事と悪い事がある。



そして、度々恐ろしい事件が起きる。
…その都度、出版社側からの制約も厳しくなっていく。

世間も、以前ほどホラーを求めなくなっていった。
現実の方があまりにも凄惨すぎるからだろう。
明るく、前向きで、楽天的な話が好まれるようになった。

こうなると、もはやホラーの出番はほとんど無い。
ホラーと名の付くものは、一応有るが…
ミステリーサスペンスに、その面影を細々と残すのみ…
作家達は次々と作風を変え、ジャンルを変えながら誌上を移動する。



ホラーの流行は、今や映画にその重きを置いている。
それも、非日常的で誰もが見られるわけではない
霊的な存在などを取り扱ったものが多いように思う。

それは、人が人を害する内容では無いから、視聴者がその世界に浸りきった後でも
現実と重ね合わせて犯罪を起こす人間が出てくるような
そんな心配の無い内容だからだろうか…?

そんな穿った見方をしてしまうのも、あながち見当ハズレではないだろう。
たぶん。




今回は、文章が堅苦しい感じになっちゃったな。
内容が内容だからかな。

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