松尾芭蕉

2005–12–31 (Sat) 14:58

「 奥の細道 」 ---序章---


月日は百代の過客にして、行かふ年も又 旅人也。

舟の上に生涯をうかべ 馬の口とらえて 老をむかふる物は、
日々旅にして、旅を栖とす。

古人も多く旅に死せるあり。

予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、
漂泊の思ひやまず、海浜にさすらへ、

去年の秋 江上の破屋に 蜘の古巣をはらひて、
やゝ年も暮、春立る霞の空に、白川の関こえんと、

そヾろ神の 物につきて 心をくるはせ、
道祖神のまねきにあひて 取もの手につかず、

もゝ引の破をつヾり、笠の緒付かえて、三里に灸すゆるより、
松島の月先心にかゝりて、

住る方は人に譲り、杉風が別墅に移るに、
「 草の戸も 住替る代ぞ ひなの家 」
面八句を 庵の柱に懸置。






一つ所に留まる辛さは、多少なりとも解っているつもりです。

毎日毎朝、決まりきった時間に決まりきった場所に通う。
ただそれだけの事が、苦痛でしかなかった学生時代でした。

ある日、気が向いただけ。

ただそれだけの理由で、学校へ向かわずに小旅行に赴いた自分を
「変わり者」扱いした級友、もしくは「ただのサボり」と捉えた
教師には閉口したけど。

その時目にした美しい風景は、今も記憶に残っています。
鬱鬱として通っていた、登下校の風景とは違って感じられました。
縛られた日常から解き放たれた開放感も相まって、尚更に印象を
強めていたのかも。


そんな日々もあった私だから、人の行動に物申せる立場にはないんです。
残念だけど。


私が気が狂いもせずに、一つの場所に留まってただひたすらに
モノを描いているのは、そうすることが自分の選んだ道だから。

何事か、一つの事を成し遂げようとする時
他の物を犠牲にしてでもそれが欲しいなら、
そう行動するしかない。



旅に出て、行き着いた先に
貴方の欲しかった何かが見つかりますように。

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