2005–04–16 (Sat) 20:33
夜の森を歩く
銀色に照り輝く、うそ寒い景色の中
影を縫い、月光からその身を隠す

「夜が静か」だと、誰が決めた?
「夜は死んだように眠る」と、誰が言った?
葉影がざわめいている
息遣いが届く
気配が忍び寄る
暗がりにいる
月明かりの裏側の密やかな影
こそりと蠢く
物陰から覗き込む眼差し
柔らかな薄膜の翼を広げ
お前の咽喉元に牙を立てる
忘れたはずの記憶が、今また甦る
忘れたはずの苦しみが、お前を再び苛む
逃れられない甘い痛みを、求めているなら
夜が来て、影に溶けるから
苦しいはずの瞬間を、待ちわびていたから
開放